なぜマトリックスを変革するのか?

「マトリックススイッチ」 と 「マトリックススイッチング」

「マトリックススイッチ」とは、複数の入力と複数の出力を含む入出力が決められたタイプの回路スイッチと、各出力を入力信号に対し独立に接続できるインターフェイスを指す用語です。

AVマトリックススイッチャーは、これまでに導入されたほとんどの映像・音声分配機器の中心となる、非常に高価なハードウェアです。 マトリックススイッチャーはかつて必要悪とされておりました。

「マトリックススイッチング」とは、信号自体への影響を最小限に抑えながら、送信元から受信先に信号を送信するプロセスを意味します。 マトリックススイッチをすることが目的であり、AV信号分配の中心にある主要な機能になります。 送信元から受信先に、画像と音声を配信する機能がなければ、今日のプロAVが提供する幅広いアプリケーションは実現できませんでした。 「スイッチ」と 「スイッチイング」の比較 – なぜこれらを区分するのか?それはマトリックススイッチからマトリックススイッチングを、切り離すことが可能であることを認識すべき時が来ているからです。

マトリックススイッチが存在する理由は、製造が容易且つ作業に適しているからではありません。 マトリックススイッチングは、単なる機能要件に過ぎず、ユーザアプリケーションが基盤となるハードウェアに柔軟性と品質を求められることを認識しています。ユーザにとって重要なのは、柔軟性と品質だけです。 お客様は、それらを実現するためにどのようなハードウェアが使用されているかを気にしていないだけか、もしくはすでに知られているかもしれません。

コミュニケーションの歴史的動向

「マトリックススイッチ」から、イーサネットネットワークを使う「マトリックススイッチング」への移行は避けられない傾向であり、その他すべての通信形態と同じ進化を遂げています。

すべての通信はアナログからはじまり、柔軟なソフトウェアプラットフォームまで同じ軌跡をたどります。

初期の通信では、アナログ信号が使われました。 初期の電話ネットワーク、コンポジット映像信号とコンポーネント映像信号、レコードプレーヤー、FMラジオなどがその例です。

その後時は過ぎ、信号をデジタル化するのに必要な電子機器は一般的で安価になり、デジタル信号の信頼性を受けいれるようになりました。 PBX電話ネットワーク、HDMIビデオおよびHD-BaseT、CDおよび衛星ラジオに移行しました。 これらは、回路スイッチ回線の終端を表します。 イーサネットの通信速度と需要が高まるにつれて、信号はパケットの世界(Voice over IP、Napster、および無線ライブストリーミング)へと移行します。

「マトリックススイッチャーが存在する理由は、製造が容易であって、業務に適しているからではありません。」

これが現在の映像・音声(AV)配信の現状であり、「マトリクススイッチャー」から「マトリクススイッチング」への移行に適していることを意味します。

SDVoEにより、AV信号配信はこれらの最後の2つの移り変わりを同時に管理することができます。 SDVoEは、AV信号にダメージを与えることなく、イーサネットネットワークに存在する唯一の技術です。 ただし、SDVoEはソフトウェアプラットフォームも提供するため、AVシステムを管理するソフトウェアによって完全に定義できます。 例えば今日聞きたい音楽を、あなたはSonosに演奏するように頼むかもしれません。しかしもうレコードを変えるためにいちいち立ち上がる必要はありません。 SDVoEを使用することで、将来的にビジネス·テクノロジーのニーズが変化する場合でも、信号分配システムを簡単に再構成することができます。高価な機器を廃棄物に捨てたり、交換したりする必要はありません。

SDVoEマトリックスはどのように変換していますか。

従来のマトリックススイッチ機能の強化

SDVoEは、従来のマトリクススイッチをはるかに上回る機能を提供します。 多くのSDVoEデバイスには、次のような機能を可能にする強力なAV処理装置が搭載されています。

  • スケーリング
  • インスタントスイッチング
  • ビデオウォール画像の切り抜き
  • マルチビュー/コンポジット
  • オーディオとビデオの独立したルーティング
  • オーディオのダウンミックス
  • USB転送

ソフトウェアを活用した柔軟性の最大化

SDVoEは、(Software-defined video over Ethernet.)の略です。 今日の世界は、すべてがソフトウェアと連しています。 ソフトウェアはハードウェアより適応力が高く、 従来のAVのハードウェア定義の世界でも、システムの機能は完全に定義され、組み立ての段階ですでに設定がなされます。 例えばビデオウォールコントローラを構築すると、そのビデオウォールコントローラのみが永久に存在します。 しかし、将来的にビジネスニーズは変化し、システムニーズも変化します。 ユーザーのニーズが変わる度に、作業中のAVシステムが多大な費用をかけて撤去され、交換された経験は何回あるでしょうか?更に悪い状況は、ユーザーのニーズは変わったが、取り換えの為の予算がなかったために、稼働中のAVシステムを何回も未使用のままにしていることです。

「SDVoEは、進化するビジネスニーズにAVシステムを柔軟に適応させることができます。」

SDVoEは、ソフトウェアがアプリケーションを定義するプラットフォームを作ることにより、進化するビジネスニーズにAVシステムを柔軟に適応させていくことができます。 新しいソフトウェアをインストールして、PCに新しい機能を提供するのと同じように、SDVoEシステムは新しい制御ソフトウェアをインストールすることでアップデートおよび調整することができます。

独自仕様のハードウェアの壁に囲まれた庭を出ましょう。

SDVoEは、SDVoEデバイスの標準プロトコルと動作を定義し、ベンダー間で標準化された制御APIを提供します。 API以下すべてが標準化され、慎重に制御されているため、SDVoEデバイスはIT業界に馴染みのある相互運用性のスタイルを示しています。 ZeeVeeエンコーダはChristieプロジェクターとシームレスに動作し、NETGEARスイッチはこれらの両方のデバイスを自動的に設定します。 ハードウェアにはまだ差別化の余地がありますが(Dell vs HPなど)、システムの機能を決定するのはソフトウェアです。

ハードウェアは異なる場合がありますが、これらのコンピュータは互いにシームレスに通信でき, インストールされているソフトウェアが、実際に何ができるかを定義します。

結論

AV機器を使用する際に重要なのは、ユーザーによる優れた使用感です。システムは使いやすく、常に高品質の音声と映像を配信できるようにする必要があります。 何十年もの間、マトリックススイッチはこれらの要件を満たすことができる唯一の機器でした。

しかし今は新しいアプローチが存在します。 SDVoEを使用すると、マトリックス·スイッチの「配管」をイーサネットと交換しながら、音声と映像の品質を維持し、システムとその他すべてを向上させることができます。 設計、設置、管理、および使用が容易になります。 システムはユーザーとともに成長し、進化することが可能なのです。 これにより、システムの所有者の時間とコストが節約されます。 その結果、設計者と設置者はより効率的になり、より多くのビジネスを楽しむことができます。

「マトリックススイッチング」は必要ですが、「マトリックススイッチ」は必要ありません。 SDVoEはマトリックストランスフォーム(変革)なのです。

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